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Diary


おまもりアイス
たいした進捗もないまま、また今日という日が終わろうとしている。 叶わぬ計画を立てては希望を見出し、自分に裏切られてがっかりするのをやめたいと思っている。それはもうずっと。 時間は残酷なまでに平等に流れ、そして聞くところによると有限らしい。 「ちょっと待った!」ができたらいいのに、といつも思う。 早送りじゃなくていいから、ちょっとした一時停止ボタンくらい用意しておいてほしい。 わたしみたいな優柔不断で、くさくさしがちな人間にはね、ゆっくり腰を据えて、ふかーく考え込みたい時があるんですよ。 全世界をあまねく停止するまでいかなくとも、わたしひとり、ちょっと立ち止まってもどうか許されたいと願う日々である。 まあでも、もしそんなボタンがあったなら押しまくって、時間を止めまくって、わたしだけ年をとらないでいるのではなかろうか。 周りのみんなが刻んでいく時間に、わたしはいなくて。 そのほうが残酷かもしれないね。 さて、どうにもならない過ぎゆく時間に悩み続けるなんて、それこそ時間がもったいない話ではないか。 いらんことをぐるぐる考えてしまうのは、仕事に追われてい
14 分前


季節に遅刻する
知らぬ間に、秋はわたしを置いていってしまったらしい。 毎年11月くらいになると、なんとなく調子が優れない日が出てくる。 あたたかくして、深呼吸をしたり散歩をしたりしていたら、いつのまにか暦は12月になり、年も越そうかというころになった。 寒空を漂って、不調もどこかへ流れていったようだ。 この時期の変調について、「なんかいつものやな感じのやつか」と割り切ってから、いくぶん生きやすくなったような気がする。 いつまでも答えを探し続けるより、疑問とともに、ゆるやかに苦しみながら生きてみよう。 と、そんなふうに決めた日があったような、なかったような。 そのへんも、曖昧でいいのでしょう。 どこかしらに残り香はあるものの、鼻を抜けるつんとした冷たい空気や、きらびやかな街の装飾たちが、もう冬の只中にいることを嫌でも知らせてくる。 それらしい派手な音楽に、思わず心が躍ってしまう。 また今年も「なんかいつものやな感じのやつ」を乗り越えられましたね、と誰かが祝福してくれているのかもしれない。 のんびりと、ぬるい空気を引きずったまま支度していたら、時間はすっかりお昼前に
2025年12月26日


薔薇の香り
薔薇の香りを買った。 薔薇の香り、苦手なのに。 ルームスプレー、っていう呼び方でいいのかな。あらためて名称について考えてみるとよくわからない。お部屋の空気を、いい香りにするあれです。 つやつやした緑色の瓶が、しゃんと背筋をのばして佇んでいて、まんまるの蓋はすこしくすんだピンク色。ああなんてかわいらしい、くやしいよ、なんて思いながら、買ってしまったのだった。 でもね、わたし、薔薇の香りがすこし苦手なんです。 花々しい世界で勝ち続けてきたかのような、磨き上げられたその誇り高き上品さを前に、負けてしまうんだ、いつも。 沈丁花、クチナシ、蝋梅、フリージア、桜、とかとか。好きな花の香りもたくさん思い浮かべることが出来る。 とくに、お花屋さんに入った瞬間に押し寄せる青々しい緑の香りとか、思い出しただけで胸がきゅんとする。うれしくなって、気持ちがふわふわしてくる。 けれど、薔薇の香りがひらく世界には、わたしの居場所はないのだろうなって感じる。 わたしのような日陰者には、烏滸がましいというか、ふさわしくない感じ。 あまりにもまぶしい、強い光をもった香りだから。.
2025年12月19日
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