おまもりアイス
- knit tunica
- 13 分前
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たいした進捗もないまま、また今日という日が終わろうとしている。
叶わぬ計画を立てては希望を見出し、自分に裏切られてがっかりするのをやめたいと思っている。それはもうずっと。
時間は残酷なまでに平等に流れ、そして聞くところによると有限らしい。
「ちょっと待った!」ができたらいいのに、といつも思う。
早送りじゃなくていいから、ちょっとした一時停止ボタンくらい用意しておいてほしい。
わたしみたいな優柔不断で、くさくさしがちな人間にはね、ゆっくり腰を据えて、ふかーく考え込みたい時があるんですよ。
全世界をあまねく停止するまでいかなくとも、わたしひとり、ちょっと立ち止まってもどうか許されたいと願う日々である。
まあでも、もしそんなボタンがあったなら押しまくって、時間を止めまくって、わたしだけ年をとらないでいるのではなかろうか。
周りのみんなが刻んでいく時間に、わたしはいなくて。
そのほうが残酷かもしれないね。
さて、どうにもならない過ぎゆく時間に悩み続けるなんて、それこそ時間がもったいない話ではないか。
いらんことをぐるぐる考えてしまうのは、仕事に追われているときか、身体と心がすこしずつ疲れているときなのだ。
そしてそういう不調的なものって、放っておいても改善することはまずなくて、なにかしら手を入れていかないと、いつかぐちゃりと潰れてしまう。
こんなもやついた日のために、冷凍庫には、わたしのとっておきの “おまもり”があるのだ。
静かに、いつでもわたしのことをひんやりと待ってくれている。
それをわたしは、“おまもりアイス”と呼んでいる。
ちいさなカップに適切におさまった、白い宇宙(リッチなミルク味)。
キッチンのスツールに腰かけて、まだかちこちのアイスを手のひらの熱でじんわり溶かしながら、大切にひとくちぶん、スプーンですくいとる。
口に運べば、金属のスプーンの冷たさにびっくりしつつも、すぐにミルクの甘さが舌の上でとろけ出す。
時間が流れるから、このアイスもやわらかくなっていく。
こわばった心も、時間が経てば溶けていくのかもしれない。
うん、今日もいい日だった。かもしれない。
明日もどうぞ健やかに。
