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Diary


薔薇の香り
薔薇の香りを買った。 薔薇の香り、苦手なのに。 ルームスプレー、っていう呼び方でいいのかな。あらためて名称について考えてみるとよくわからない。お部屋の空気を、いい香りにするあれです。 つやつやした緑色の瓶が、しゃんと背筋をのばして佇んでいて、まんまるの蓋はすこしくすんだピンク色。ああなんてかわいらしい、くやしいよ、なんて思いながら、買ってしまったのだった。 でもね、わたし、薔薇の香りがすこし苦手なんです。 花々しい世界で勝ち続けてきたかのような、磨き上げられたその誇り高き上品さを前に、負けてしまうんだ、いつも。 沈丁花、クチナシ、蝋梅、フリージア、桜、とかとか。好きな花の香りもたくさん思い浮かべることが出来る。 とくに、お花屋さんに入った瞬間に押し寄せる青々しい緑の香りとか、思い出しただけで胸がきゅんとする。うれしくなって、気持ちがふわふわしてくる。 けれど、薔薇の香りがひらく世界には、わたしの居場所はないのだろうなって感じる。 わたしのような日陰者には、烏滸がましいというか、ふさわしくない感じ。 あまりにもまぶしい、強い光をもった香りだから。.
2025年12月19日
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