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ハイポニキウム

  • 4月24日
  • 読了時間: 3分

午前中のうちに二箇所、爪が割れた。


右手の人差し指と、左手の親指。

左手の親指はとくに重症で、爪のピンク色の部分までじっとりと見えてしまっている。


へんな形に割れて服やら何やらに引っ掛かるのがどうにも気になり、無理矢理ひん剥いてしまったのが大きな原因だ。


帰って爪切りややすりでどうにか整えるまで我慢したらよかったのに、どうしてこういう惰性にまかせると、普段は持ち合わせていない思い切りの良さが、ふいに発揮されるのだろうか。




いらぬ潔さのせいで、深爪のさらにひどいもののような状態となってしまった親指は、何かものに当たったりするとつんと痛みがある。


こうなってしまった爪は、そっとしておくのがいちばんだ。

と、頭ではわかっている。


けれども、ピンク色の肉肉しい部分、普段は固い爪で守られていて本来は空気に晒されるべきでない、やわらかくて頼りないその場所が、よく目につく指先でこうして露わになっていると、とても気になる。そしてつい触ってしまう。




うう、痛い。

でも気になる・・・。




乾燥なのか栄養不足なのかわからないが、というかどちらにも心当たりがありすぎて、わたしの身体よごめん、という感じの最近だったのだけれど。


爪が弱っているのには気付いていた。


指先はどんな行動の時にも目に入るし、わたしは人よりも少しだけ、触り心地というものに敏感なので、意識していることが多いのだと思う。


この世でいちばんやわらかくて大切な、子どもの皮膚に触れる機会が増えたのもある。




そんなわたしの爪は、以前よりも全体的に薄くなっている気がするし、べこべことした表面の歪みも目立つようになってきた。


一朝一夕のケアで挽回できることではないと、重々承知しているが、やはり指先が整っていると心に余裕が生まれるし、所作も洗練されると思う。


ふむ、丁寧な行動の入り口には、まず指先の整いが立ちはだかっているのだった。




爪のピンク色の部分が長いと、縦長ですらりとした指先に見える。

そのためには、「ハイポニキウム」という部分を意識して育成する必要があるのだそう。


ハイポニキウムとは、手のひら側から見える、爪と皮膚を繋いでいる透明な皮膚のことらしい。以前通っていたネイルサロンで教わった。




ハイポニキウム、

ハイポニキウム・・・




レオリオ=パラディナイトの次くらいに、思わず口に出したくなる響きではなかろうか。




今日の夜はネイルオイルでしっかりと爪先まで保湿して寝ようか。


ああでも寝るまえに、もう一度口に出したいよ。“ハイポニキウム”って・・・。




さあ、そんなこと言ってないで、はやくお布団へ。


ネイルオイルに含まれていたラベンダーの香りがふと訪れて、なんだか今日はよく眠れそうな気がするぞ。というか、今日こそはぐっすり眠りたい。


良質な睡眠も、きっと爪の健康には大切なことだろう。祈るように、最後に一度だけ爪に触れた。






明日もどうぞ健やかに。


 
 
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